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あなたの会社が最速で変わる7つの戦略

著者 神田昌典
出版日 2016/09/08
出版社 フォレスト出版
ページ数 270 ページ

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このままでは、あなたの会社は生き残れない!?

「会社というものは、時代とともに変革され、
新しいビジネスとして生まれ変わる」ということは、
経営者のみならず、多くの方がすでにご承知の通り。
有名ブランドであるエルメスも馬具工房として創業しましたが、
自動車の誕生で馬車の需要が減ることを見越して、
カバンや財布などの皮製品で成功しました。
日本では、あのポケモンGOの任天堂が、
創業当時は花札を製造していました。
実はこれほどのドラスティックな変化を遂げなければ
会社は生き残っていけないという時代が、今まさに迫っているのです。
それは上記のようなメーカーに限ったことではありません。
IT、流通、サービス、小売、卸から金融まで、
あらゆる会社が変革を、しかも数年のうちに迫られているのです。

なぜならば、2020年の東京オリンピックの数年後、
世の中の価値観そのものがガラリと変わるからです。
顧客心理、セールス、マーケティングからライフスタイルまで、
それは幕末から明治にかけての大変化に等しいと、
神田昌典氏は10年以上も前から警鐘を鳴らしています。
そして、その時期が刻一刻と近づいているのです。

わずか数年のうちに新しいビジネスモデルなど生み出せるのでしょうか?
神田氏は、インターネットによる技術革新の結果、
今まで10年かかったことが、ほんの1年以内に実現可能になった、
つまり、変革のインフラはすでに整っていると言います。
「このまま何も変わらなければ生き残っていけないことは分かっている。
でも、どこから始めればいいのか?」
そう思っているのなら、この本が多くのヒントを与えてくれます。

すでに変革を始めている先駆者たちの戦略に学ぶ
本書は神田氏がコンサルタントとして関わってきた
7つの会社の戦略例をもとにつくられています。
登場する方々は、いわば一歩先を行く先輩です。
そこから必ず、あなたの会社の新たな戦略のヒントが見つかるはずです。

1.「プラットフォーム化」によるビジネスモデルの構築
2. 教育プログラムをプラットフォームに組み込む
3. 数多くの試行錯誤を短期間に積む
4. 「Read For Action」によるイノベーターの育成
5. 業界をブレイクスルーする技術を開発する
6. 分業をパッケージ化して提供する
7. 秘められた人材能力の開発で組織を活性化する

こうした成功事例による戦略は、ズドンと腹に落ち、
変革へのチャレンジ精神が芽生えてくるでしょう。
また、7つの会社の取り組みへの神田氏独自の視点も
大いに奮い立たせてくれます。
変革・成長していく会社には「ストーリー」があります。
そのストーリーを紡ぎ出すための第一歩を踏み出してみてください。

目次
はじめに 生き残るためには、売上計画の桁をひとつ増やしなさい!
死に向かう行進から、離脱せよ
2020年以降は、人口減に加えて、さらに……
3年後に年商10億円よりも、5年後に年商100億円
未来に向けて進化するための、BABYMETAL 戦略
新規事業を生み出す、完璧な環境が準備されている
ビジネス進化への突破口は、こうして切り開かれた

第1のビジネス戦略 「プラットフォーム化」によるビジネスモデルの構築
解体業から自動車リサイクル業へ
静脈産業の旗手として世界80カ国でビジネスを展開
会宝産業株式会社 代表取締役会長 近藤典彦
            
転機となった「自動車リサイクル法」の施行
世界初の中古エンジン規格「PAS777」を取得
中古部品を一元管理するネットワークシステムを構築
「場づくり経営」の新たなビジネスモデルの誕生
経営理念の原点を培った下町での体験
近藤自動車商会から会宝産業への脱皮
自然環境を壊さずに経済発展を遂げるために
JICAを動かした「国際リサイクル教育センター」の創設
“われ船の舳先とならん”とする覚悟とその強み
世界的環境会議「リオ+20」でのスピーチに込めた思い
リサイクルオイルが生んだ温室栽培ビジネス
無農薬野菜でTPPに対抗する
◎近藤典彦氏インタビュー 
[神田昌典の視点]

第2のビジネス戦略 教育プログラムをプラットフォームに組み込む
60年以上続いたヘアカット技法を革新
女性のニーズを満たし美容師の地位向上も果たす
株式会社TICK-TOCK代表取締役 牛尾早百合
           
業界の旧弊を破った「ステップボーンカット」
日本人に似合う髪型をつくるカット法を求めて
アジア各地でネットワーク化が進展
「日本の美容技術は世界最高水準だと自負しなさい」
ステップボーンカット・アカデミーを開設
ニューヨークからブランディング戦略を発信
外国人による美容ツーリズムが始まる
◎SAYURI氏インタビュー
[神田昌典の視点]

第3のビジネス戦略 数多くの試行錯誤を短期間に積む
アジアでそばレストランを展開
失敗と成功を繰り返しながら新しい業態を模索
ダイタンホールディングス株式会社 代表取締役社長 丹 有樹

複数の常務に店舗運営を任せた分社制経営
従来の価格帯を引き上げられるビジネスをつくり出す
失敗で再確認した自社のビジネスモデルのすごさ
インドネシアでの失敗がアジア進出の足がかりに
「現地化」と「本物志向」でメニューを策定
フィリピンで初めての展開にFC挑戦
そば屋の裾野から頂点までを押さえる
シンガポールの新業態を日本に逆輸入させる
◎丹 有樹氏インタビュー
[神田昌典の視点]

第4のビジネス戦略 「Read For Action」によるイノベーターの育成
読書会を通した組織学習によって
イノベーションが生まれる土壌を耕す
NTTアドバンステクノロジ株式会社
営業本部営業推進部門ビジネスモデル・WEBマーケティング担当 担当課長 三宅泰世

開発した商品を売る仕組みが社内にない
多様で多層的で多元的な知恵の共有ができる
わずか半日で醸成されるチームビルディング
個々が抱える問題、課題、目的を共有する
管理偏重主義を打ち破るメソッドとして
知恵を化学反応させて新しいものを生み出す
次世代がイノベーションを起こす土壌をつくる
深い信頼に基づいたコミュニケーションの場
◎三宅泰世氏インタビュー
[神田昌典の視点]

第5のビジネス戦略 業界をブレイクスルーする技術を開発する
麹菌に秘められた力を追究し
養豚業の改革を進め、健康産業にも参入
株式会社源麹研究所 代表取締役 山元正博

世界の養豚業者を救う「麹リキッドフィード技術」
酵素の働きで豚の死亡率が激減する
TPPから日本の農家を守るために
スケールの大きな技術ほど離陸にパワーがいる
祖父は黒麹菌を発見した「麹の神様」
「焼酎の神様」と呼ばれた父親との確執
倒産寸前の窮地を救った「焼酎の観光工場」
麹菌の可能性を求めて農業の道へ
麹リキッドが腸内環境を大幅に変える
茶麹サプリが免疫細胞を増加させる
麹を通して日本人本来の生活を復活させる
◎山元正博氏インタビュー
[神田昌典の視点]

第6のビジネス戦略 分業をパッケージ化して提供する
マンション販促ツール開発の分業体制を壊し
オールインワン・パッケージでシェア40%を獲得
株式会社VRSサービス 代表取締役 東田 昇

マンションの販促ツールをパッケージで供給
エモーショナル・マーケティングの実践
画期的ツール「日照シミュレーター」を開発
ワンストップサービスでシェア四割を獲得
「殿様セールス」でシェアを拡大する
“一人勝ち”にならないようにする
宝の山の可能性を秘めた中古マンション市場
◎東田 昇氏インタビュー
[神田昌典の視点]

第7のビジネス戦略 秘められた人材能力の開発で組織を活性化する
従来の福祉施設のイメージを乗り越え
障がい者がサポート側に代わる時代をつくる
ビジネス・ライフデザイン株式会社 代表取締役 矢根克浩

「俺だからできる仕事」から「誰でもできる仕事」へ
障がい者が自立できる環境をつくる
職員三名、スタッフ20名でスタート
WEB上の商品説明の書き手を養成する
皆勤賞と精勤賞を設けて出勤率を意識させる
チャットワークで進捗状況を報告
福祉施設のサポートで業績が伸びることを証明したい
◎矢根克浩氏インタビュー
[神田昌典の視点]

(フォレスト出版 書籍概要より引用)

じつは、本書の内容は「生き残ろうとするマインド」からはほど遠い。
正直にお伝えすれば、生き残りをかけて頑張ろうとする会社は、残念ながらまず生き残れない。その思考自体に、生き残れない原因があると、私は考えている。

なぜなら、過去からの延長線上の努力をすればするほど、あなたの会社は辛く苦しくなるからだ。だから、生き残るよりも、もっと賢い方法を、これからお伝えしたい。

まず、次のチャートを見て欲しい。

私のコンサルティング経験を踏まえ、マーケティングモデルの進化と、市場規模・収益率をプロットしたものである。結果を、ひと言でいえば、「頑張れば頑張るほど、事業規模は大きくなるけれど、経営は厳しくなっていく」ということだ。

簡単に説明しよう。
ゼロから事業をスタートした場合、はじめはコンサルティングや制作請負など、自らの労働力の提供によって収益を確保する。この場合、労働力がボトルネックになってしまうので、よりスムーズに拡大できるように、次には、自社ノウハウを「コンテンツ」にまとめて発表したり、システム化・講座化して「プロダクト」として販売したりする。
その結果、労働力の制約なくして事業が拡大できるようになるが、次第にライバルの参入が相次ぎ、価格が下がり始める。

そこで顧客が流出しないように、顧客との関係性を強化するためニュースレターを発行したり、イベントを開催したりするようになる。ここで「コミュニティ」へと発展させようとするのである。
すると多様な顧客から多彩な要望が入り始め、要望に応えるたびに商品点数が増えていく。「ショップ」を出すことで、幅広く新しい顧客にリーチできるようになるのだが、事業が複雑化。固定費も上がり、収益率は下がっていく。

ここまでの成長プロセスは、人口が増えていく経済下では、まったく問題なく機能してきた。いまでも成長している市場においては、うまくいく鉄板のモデルだ。しかし、人口が減少していく経済下では、限界にぶつかる。物理的に顧客を集めるモデルでは、未来に向けて成長する道筋を描き続けられなくなるのだ。

このボトムが、V理論での谷底である。もはや未来は、過去の延長線上の努力の先にはない。現在と未来との間には、大きな亀裂が生じている。にもかかわらず、「生き残りをかけて……」というスローガンを唱える会社は、周りも同じような努力をする会社ばかりに囲まれている。集団的な思考停止状態に陥っているから、みんなで崖に向かって行進し、見事に谷間に落ちていくのである。

2020年以降は、人口減に加えて、さらに……

これから会社は、過去からの延長で生き残るのではなく、むしろいったん死を受け入れ、再生するぐらいの変化を遂げる必要がある。いい換えれば、未来に似合うビジネスへと完全に進化しなければならない。

しかも、その決断のタイミングが、カウントダウンに入っている。

日本の人口は、2005年から減り始めたといわれるが、じつは消費が最大となる50代人口は増えていたので、総支出額はいまも増え続けている。しかしそれも、2020年頃にはピークアウト──人口だけではなく、使うお金の額がついに減少し始めるのである!

また同年までには、東京オリンピックに向けての特需も消えるから、景気を維持し続けるためには、相当、大規模な経済対策の追加が必要になろう。さらに2025年には、年齢構成上、最も人口が多い団塊世代(約800万人)が、すべて後期高齢者(75歳以上)となる。その結果、国民の5人に一人が75歳以上、3人に一人が65歳以上という、人類が体験したことがない超高齢化社会に、日本は突入する。それまでは、経営力を高めることにより、同じ地域で仲良く生き残れてきた会社も、2025年以降は、熾烈な食い合いを始める。既存の市場で残るのは、本当に強い、ほんの一部の会社だけになっていくことは、火を見るよりも明らかである。

これだけの大変化は、江戸時代から明治時代へのシフト、太平洋戦争終戦前から終戦後へのシフトに匹敵するほどだ。武士や軍人が役割を終えたように、たった10年間で多くの職業が消えてなくなる。

これほどの歴史的変化が、この5年後から本格化する。だから、重要な問いは──、「どうしたら生き残れるか?」ではなく、「これから5年のうちに、どうしたら会社は生まれ変われるか?」なのである。

3年後に年商10億円よりも、5年後に年商100億円

このように客観的に時代の趨勢を予想すれば、ひと昔前のビジネスに固執するかぎり、生き残ろうとするのは、相当、困難だ。しかし、生き残るから、生まれ変わるに思考をシフトすると、とたんに肩の荷が軽くなり、可能性が一気に広がる。

ある若手経営者が、口元を引き締めながら私に話しかけてきた。
「いまの事業を、3年後に年商10億円にしたいと考えています」

私は、首を傾げながら、次のように答えた。
「……、ごめん。聞き違えたかな?桁が違うんじゃない?」

相手は、何をいわれたのか、キョトンとしている。
私は続けた。
「創業8年の、エアビーアンドビーは時価総額3兆円。配車アプリのウーバーも、創業7年で時価総額7兆円。起業したら、5年で年商100億円が、もはやシリコンバレーのスタンダードなんだ。こうした会社の経営者は、あなたと年齢も経験も変わらないのに、なぜあなただけ年商10億円を目標にしているのかな?年商10億円をめざすと、周りのおじさんたちに『お前に、できるはずない』と、足を引っ張られて大変なんだよ。年商100億円とか500億円とかを目標に掲げたほうがいい。すると、周りは理解できないから、かえってスムーズに成長できるんだよ」

彼は、とたんに目を輝かせ始めた。
「……たしかに、5年で年商100億円をめざすほうがぴったりきます。自分にできることが、むしろ明確に定まりそうです。本当にやっちゃっていいんですか?」

「ええ、やっちゃっていいんです。私が許可しましょう」

年商10億円を超えるまでには壁がある。
だから、周りの先輩経営者は、親切心で、自分が通ってきた道を指南する。
しかしながら、過去の成功は、もはやブレーキにしかならない。

インターネットによる技術革新の結果、いままで10年かかったことが、ほんの一年以内に、十分に実現可能になっている。具体的に説明すると、いままで少なくとも一カ月はかかったWEBページの制作・開設が、「ペライチ」という無料サービスを使えば、充実したテンプレートを使えるので、ほんの数時間後には実現。いままで会社設立後3年は経たないと使えなかったクレジットカード決済が「スパイク」という無料サービスを使えば、これも20分後には実現。いままで、年間数百万円のコストをかけなければ、運用できなかったマーケティング・オートメーションという最新技術ですら、「モーティック」というオープンソースソフトウェアを使えば無料で、いますぐ使い始めることができる。

つまり!事業モデルを組み立てるために必要だった試行錯誤が、10年前に比較して圧倒的に短期間で、お金をかけることなく実現できるようになってきている!しかも、シリコンバレーでは、未来に必要とされる事業モデルの核ができ上がると、売上げを一気に拡大するための営業部隊、サポート部隊の構築法も確立され始めているので、一気に年商100億円ぐらいまで、アクセルを踏み込んでいくのが、当然の成り行きになっている。
このように未来に向けて進化したビジネスは、次の図のようにチャートの右側に位置する。先ほど挙げたエアビーアンドビー、ウーバーは、人が集まる「プラットフォーム」型の事業であり、フェイスブックやインスタグラムは、広告が収益源となる「メディア」型事業。そういった事業モデルがさらに進化すると、今度は、ペイパルやアリペイのような「マネー」型事業へシフトするというのが、未来における事業進化のプロセスである。

繰り返すが、未来の成功モデルは、過去の成功の延長線上にはない。人口減社会でも成長を続けようとするならば、あなたの商品内容、営業方法、さらには組織体制を、チャートの左側から右側へ──すなわち未来に似合うビジネスへと、急速に進化させなければならないのだ。

未来に向けて進化するための、BABYMETAL戦略

それでは、あなたの事業を、最速で、未来に似合うように変えていくには、何から始めたらいいのか?当然、会社によってアプローチはまったく違うので、本来だったら、これから半日、あなたと膝を交えて話したいところであるが、いますぐ大きなヒントを得られるように、実用重視の、シンプルな方法を共有しよう。あなたの会社の強みを凝縮した商品(もしくは事業)を、二つ選択するのだ。

あなたの会社の強みを凝縮した商品(もしくは事業)を、二つ選択するのだ。

「ええっ、神田さん。ひとつではないんですか?」

経営の大原則は、「選択と集中」。だから賢い人は、会社のリソースを分散せずに、ひとつの強い分野に集中させなければならないと考えるだろう。これはたしかに正解なのだが、実際には、その正解を実践できる会社は少ない。

なぜなら、ひとつの強い分野だけで戦おうとすると、あなたよりも強い会社が必ず現れるからだ。
たとえば、あなたが映像制作事業を手がけているとしよう。映像制作に絞り込み、トップになろうと思っても、あなたよりも規模が大きく、また経営力も秀でたライバル会社との競争に直面するだろう。しかし、そのとき、あなたが教育事業も手がけていたとしよう。その二つの事業の強みを組み合わせ、教育効果を測定する機能を備えたEラーニングのプラットフォーム事業という新しいビジネスに取り組んだらどうか?

ひとつの強みだけにフォーカスすると、ナンバーワンになるのは難しいが、二つの強みにフォーカスすると、その二つを同時に持っているライバルはぐっと少なくなる。さらには、その二つを組み合わせて、ひとつのコンセプトに練り上げると、あなたはオリジナルな事業分野を生み出し、まったく新しいジャンルで、ナンバーワンの座を短期間で獲得する。
これを私は、「BABYMETAL戦略」と呼んでいる。

BABYMETALとは、アイドルとヘビーメタルという両極をひとつにしたダンスユニット。坂本九以来53年ぶりに、米国ビルボードチャートの40位以内にランクインし、全世界的にブレイクしている。いままで結びつかなかった「アイドル」と「ヘビメタ」をひとつにまとめあげ、独自のジャンルを生み出した。その結果、10代のアイドルファンから、50代のヘビメタファンまで、年齢を超えて、いままでつながらなかった人々がつながり始め、大きなムーブメントを引き起こしている。

このように、いままでつながらなかった両極端をつなぐことは、独自の商品や事業を生み出すうえで、非常に強力だ。ポケモンGOは、デジタルゲームを現実空間につないだ結果、ゲームをやらなかった層をゲームに向かわせ、引きこもりのゲーマーを現実空間に向かわせた。結果、連続テロの恐怖に怯えていた世界が一瞬のうちに、ポケモンGOの話題一色となるほどの変化をもたらした。

未来に向けて進化するビジネスモデルと聞くと、難しい知的作業をしなければ、生み出せないように思えるが、すでにあなたの会社のなかにある強みを組み合わせると、未来に似合う新しい形が浮かび上がる。

しかも、それは、あなたにとって未知なるものを獲得するのではなく、あなたにとって馴染みのある、得意分野を新しい形で表現するだけだから、難しいことはない。アップルウォッチが新しい発明ではなく、基本機能はiPhoneやiPadと同じだったように、ほんの少しパッケージや組み合わせ方を変えただけで、まったく新しい価値を持ち始めるのだ。

新規事業を生み出す、完璧な環境が準備されている

いまオリジナルな価値を見いだした会社は強い。
なぜなら、先ほどもいったように、それをスピーディーに世界へ広げていく技術、環境、そして方法論はすでに準備されているからである。

しかも──、2020年に総支出も減り始めるといったが、逆に見れば、2020年までは、新しいビジネスを生み出すのに、これ以上はないというほど完璧なタイミングだ。消費が旺盛な50代人口が増え続けるということは、その間に、彼らのニーズをとらえた新しいビジネスを多数、創れるのである。さらに2025年以降、後期高齢者が急増するということは、健康維持、医療、介護のあり方に根本的な変化が起こる。食習慣、定年後の働き方、生活環境など、人々の意識が変わり、いままでとても売れるとは思ってもいなかった商品やサービスが次から次へと開発・普及していく。

すべての人を対象とする大きな市場では、ほんの一部の会社が生き残りをかけてシェア争いを繰り広げるだろうが、逆に、ほんの一部の人だけを対象とする小さな市場では、個性的なビジネスが無数に創られることになる。つまり、これから向かう未来では、「やらされる労働としてのビジネス」ではなく、「才能を生かす自己表現の場としてのビジネス」が多数生み出されるようになるのである。そのための理想的な開発期間は2020年までであり、すでにカウントダウンが始まっている。

しかし、いまならまだ間に合う。

あなたの会社は、進化を遂げたいだろうか?
もしあなたの答えがイエスなら──はじめの一歩を提供するのが、本書である。

どんなに理想的な環境が整っているといわれても、未知の領域に踏み出す不安を乗り越えるには、先人の経験が勇気を与えてくれる。
そこで、あなたに先立つこと数年前から、未来に似合う会社への変身を遂げるために、道なき道を果敢に歩んできたチャレンジャーたちをご紹介したい。

ビジネス進化への突破口は、こうして切り開かれた

本書でこれからご紹介する7社は、どの会社もテレビや雑誌で特集されてもおかしくないほど、刺激的な事業を営んでいる。
どの会社も、人口減少社会が抱える問題に同じように直面してきたが、彼らは突破口を見つけて、未来に向けて大きく進化し始めた。

いったい彼らは、どのような思考と実践で未来に向けた変革を実現させたのか?

私は、過去数年間にわたって、7社の実践のプロセスを間近に見てきた。そして彼らから事業の進捗を聞くたびに、大きな学びを得てきた。彼らと出会った日は、あたかも最高の冒険映画を見たかのように興奮が収まらないのだ。この興奮と学びを、私だけで独占しているのはあまりにももったいない。そこで今回、この7人の挑戦者が経験から培った知恵を、あなたと共有するために本書を著した。

本書を書き上げるためには、私一人の力だけでは十分ではなかった。そもそも私は、彼らの事業を客観的に説明するには、あまりにも親しすぎる。同じ未来ビジョンやノウハウを共有しているために、これから未来への突破口を見いだそうとしている読者にとっては、ちょっと内容が飛躍しすぎてしまう。あらためて新鮮な目で、彼らの事業を観察・分析したうえで、あなたに説明できる視点が必要だ。

そのため本書は、ベテランのビジネスライターである加藤鉱氏と共同で執筆にあたることにした。加藤氏は長年、経済誌の執筆を手がけてきたベテランライターである。ありとあらゆる会社の経営者と出会い、本物・贋物を見分ける卓越した見識眼を有している。その加藤氏が、すべての会社に訪問し、総計18時間近くにもおよぶ深い対話から、読者への学びになる点を抽出・整理した。

私たちが、あなたに提供したいのは、「ビジネスをうまくやるための知識」だけではない。
知識以上に大切なものがある。それは挑戦する勇気だ。彼らは、どんなに辛いときでも先が見えないときでも、いつでも声をあげて笑っている。彼らは、生き残ろうとするのではなく、生きることをこのうえなく楽しんでいるのだ。そんな彼らに、インタビューを通じて出会っていただく前に、自社の新しい未来を切り拓いた7社の概要をざっとお伝えしておこう。

会宝産業株式会社

地方の自動車解体会社から、静脈産業を創出した世界的企業へと進化。中古車エンジンに関する国際規格PAS777を正式発行し、各国政府機関も注目。リサイクルの世界標準モデル企業に生まれ変わった。

株式会社TICK-TOCK

数店舗経営の美容室が、小顔になるカット技術の特許を取得することで、550社に技術を提供するスクールへと進化。技術だけではなく、独自商品と組み合わせることで、トータルで美容業界を変革していくビジネスモデルが強力。

ダイタンホールディングス株式会社

ダイタンホールディングスは、「名代富士そば」を経営する会社。日本そばは、海外ではウケないという常識を覆し、フィリピン、台湾で成功。成熟市場を守るマインドから、成長市場に挑戦するマインドに社員がシフト。日本市場でも積極的な出店で攻勢をかけ始めた。

株式会社源麹研究所

焼酎の原料である種麹を提供する鹿児島のメーカーが、麹の健康分野での研究を重ね、画期的な畜産飼料や自然食品を開発。日本伝統の食技術により、食糧問題や高齢化社会のソリューションを生み出す世界的企業・研究機関へと進化し始めた。

NTTアドバンステクノロジ株式会社

優秀な技術者同士の連携が自然に育まれるように、社内読書会を実践。大企業のなかに埋もれている技術シーズを、未来に向けてビジネスモデル化するまでの一連の作業を効率的に進める、組織学習の場を創り出した。

株式会社VRSサービス

設計と測量という二つの専門分野に習熟した結果、ディベロッパー向けの販促ツール分野で、シェア四〇%を得るトップ企業へと進化。急速に複雑化・専門化する市場で、ユーザー視点で徹底するワンストップサービスは、業界全体のクオリティを底上げしている。

ビジネス・ライフデザイン株式会社

障がい者の、技能習得方法を進化させた結果、最先端のネット・マーケティング、コピーライティング等を実践できるように。いままで単純作業しか任せられないと考えられていた障がい者事業の常識を覆した。

以上の7社が短期間で変革に成功し、また未来に向かって進化し続けると私が思う理由を挙げるなら、次の二つとなる。

【1】世界を見据えながら事業を展開していること
【2】未来へ向かう輝かしいストーリーを信じていること

まず「世界を見据える」という点だが、日本の人口減が不可避であることを考えると、会社の規模の大小を問わず、海外への展開は必須だ。自分は海外に出るつもりがないという人も、海外から大勢、観光客が日本に来るのだから、ビジネスは自然に海外に押し出されていく。だから、いまから前もって、心の準備だけでも始めるべきだ。

私は日本の人口動態を研究した結果、もはや日本に引きこもっている余裕とゆとりはないと、2009年にクライアントたちに宣言。「一緒に世界に挑戦しよう」と、口が酸っぱくなるほどいい始めた。はじめのうちは、みな他人事だったが、そのうち、ひとりがマレーシアで、ひとりがミャンマーで、ひとりがスリランカでビジネスを始めたところ、いまでは海外でビジネスを行うのが当たり前になった。

挑戦心は、確実に、伝染するのだ。2015年以降の超高齢化社会では、地域にリソースを集中投下し、高品質な商品・サービスを顧客に提供する会社と、世界で多数の人々が集うプラットフォームを形成する会社との相乗効果が始まる。グローバルに成長した会社は、良質なローカルビジネスを海外に紹介することに手を貸すことになろう。だから、どんなに小さな規模のビジネスに取り組んでいようが、必ず世界への貢献を見据えなければならない。地域が発展するかどうかは、高い視点で、未来へのビジョンを見て、行動に移せる人材がひとりいるかどうかで決まるといっても過言ではない。あなたの代で結果が出なくても、あなたの功績は、間違いなく次代へ継承されていく。

次に、7社の変革から学んでいただきたいのは、彼らのビジネスの底流にある「未来に向かう輝かしいストーリー」だ。
成功する会社には必ず、社員が信じる力強いストーリーがある。そして、そのストーリーを深く理解することは、あなたに自らのビジネスを成長させていくうえでの多大なヒントを、確実に与えてくれる。7社の実践のエネルギーを、あなた自身のものとするために効果的なのは、次の三つの問いに対する答えを探しながら、本書を読んでいただくことだ。

・彼らは、ビジネスを通して、誰をハッピーにしようと考えたのか?

・彼らは、ビジネスを通して、自らの才能をどのように表現しているのか?

・彼らは、過去を乗り越え未来に向かうために、どんな小さな一歩を踏み出したのか?

以上の三つの問いは、あなたが自らの未来に向かうために必要な、本質的な気づきをもたらすように設計されている。その証拠に、本を閉じたあとに、あなたのなかで、どんな変化が起こっているか、感じていただきたい。

「やっちゃっていいんですか?」という熱くなる想いが芽生え始めているはずだ。人々を幸せにするビジネスを通して、世界に革命を起こす環境が、完全に準備されているという稀有な時代に、私たちは生きている。あとは、最初の一歩を、踏み出すだけだ。

それでは、いよいよ、あなたを挑戦へと誘う、刺激的な7社を訪問することにしよう。



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