Vol.241 ギグエコノミー化する社内の仕事 The Inside Gig

2020.7.5

 

原題 The Inside Gig: How Sharing Untapped Talent Across Boundaries Unleashes Organizational Capacity

著者 Edie Goldberg, Kelley Steven-Waiss

社外のみならず、社内の仕事も、ギグエコノミー化が進むことで人材の流動化はますます加速する。
2030年頃の会社のあり方に向け、経営者が今から備えておくべきことがよくわかる。

…by神田昌典

この本のタイトルにある「ギグ」とは、元々音楽用語で「一夜限りのライブの助っ人仕事」を指すそうです。

社内における助っ人仕事とは、プロジェクト単位で仕事をするスタイル。
この本は、プロジェクト単位の仕事が増えると会社はどうなるのかを突き詰めています。

神田さんは、ギグエコノミーに並々ならぬ関心を持っているとの事。
理由は、実際に使ってみてその便利さを実感したからだそうです。

2019年の調査によると、アメリカでは、会社の中の35%の社員が、何らかの形でギグに参加しています。
しかし、「ギグエコノミー」とは何かを知っている人は、わずか12%。

今や社内の30~40%が非正規社員という実態にも関わらず、
非正規社員の採用・育成や、マネジメントするための統合された標準的な施策が、会社の中にまったくない状態です。

そして、就業環境が大きく変わる中、社内におけるギグという仕事形態のメリットが大きく2つ、紹介されています。

さらに、社内でギグエコノミーを行うための6つの原則が紹介されているのですが、
実はこの原則、社内の仕事がギグ化されていようといまいと、社員側は常に念頭に置いておくべきものです。

神田さんも、新規事業のネーミングとロゴ製作に「Fiverr」という、
イスラエルの会社が提供しているサービスを実際に使用。

使い方も料金もシンプルで、英語が堪能でなくともスムーズなコミュニケーションが可能な仕組みになっており、
短時間で満足のいく成果が得られたそうです。

また、社外のギグエコノミーがこれだけ便利だと「会社とは何か?」という問いが生まれますが、
社内と社外のギグエコノミーの違いや、
ギグエコノミー化で人材の社外流出が進む中、経営者は社員に何を提供すべきかが示唆されています。

神田さんは、今後ブロックチェーンプログラムが浸透するにつれて、社内・社外は関係なくなり、
会社ではなく分散型自立組織DAO(Decentralize Autonomous Organization)という形態が生まれると考えています。

DAOはTAO(道)に似ていることから、会社がなくなった後の形態は、
道をともに追求する人たちが繋がってできる組織=道場になり、これが2030年の姿だと。

コロナによって加速された世の中の変化は、本当に大きいですね。

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